飛行機開発エンジニアのための勉強方法
飛行機
飛行機はなぜ飛ぶんだろう
筆者はそんな疑問を持って、航空宇宙工学を学べる大学に入学した。
と、そんなかっこいい理由は後付でありまして、、、
でも普通に疑問だと思います。原理に関してはまた後日アップするとして、筆者が大学で学んだ飛行機に関する工学を述べていきたいと思います。
飛行機の美しさに魅せられて
飛行機に魅了される人は数多くいます。空港で写真を撮っている人達や、プラモデルで戦闘機を組み立てている人達もいます。飛行機の何に魅了されているのか。魅了されている人の一人である筆者に言わせれば、やはり「翼」です。以下のeVTOLの記事でも記載しているように、飛行機が飛べている理由は、あの「翼」にあります。
現在飛んでいるBoeingやAirbusの機体は、数十年前に飛んでいた機体と大きな変化はありません。材料の変化や油圧が電気になったとかはありますが、飛行機のボディラインはほぼ同じです。ボディラインで大きなウェイトを占めるのは、翼。
あの翼はずばり、揚力(飛ぶ力)を生み出す最適解なのです。
“NACA0012”
で検索してみてください。美しい曲線が描かれています。宮崎駿監督のジブリ作品「風立ちぬ」の中で、堀越二郎が鯖の骨を見て美しい、、と漏らしています。美しいんです、あれは。その原理に関しては、はっきりと筆者自身も自分の中に落とし込めていないので、今後発信予定です。
とにかく、
飛行機の美しさ=翼の美しさ
飛行機開発といっても
飛行機を作る段階では大きく3つに分けられます。ここでは、航空機のシステムを考えます。だから、エンジンとか個別の材料はあとで決めるとします。
- 空力屋さん
- 制御屋さん
- それらをつなぐ人たち
1はその名の通り空気力学、つまり流体力学を極めた人達です。どのような形にすれ
ば、効率がいいか、騒音は防げるかなどを知っています。また、エルロンやエレベータなどパイロットが操作できる部分の形の設計も行います。
2は制御工学を極めた人達です。これは、パイロットが何をどれだけ操作すれば、どれだけの角度エルロンが動くかなどを考えます。
そして、3の人は、1の人と2の人の知識を結集させます。人間がどれだけ動かすと、どれだけ飛行機の操作部が動いて、どれだけ変化するっていうのを決定する人です。このヒトの技量で、極論、旅客機を戦闘機のような挙動をする飛行機に変えてしまうことも可能です。
上のことを図に示すと、こうです。
この3人の人がいて、初めて、パイロットが操縦できる飛行機が作られます。
現在の飛行機開発
では、現在の飛行機開発は何を開発しようがあるの?というと、大きく分けて以下の2つです。
- 技術の進歩を既存の飛行機に適用
- 新しい飛行機の開発(電動航空機やeVTOLなど)
1つ目に関して言えば、注目されて長いCFRPを航空機に適用していく材料系の開発や、フライ・バイ・ワイヤと呼ばれる操作系統を電気化するといったものです。このように飛行機以外の分野で発展している技術を飛行機に応用したり、燃費をより上げるために発展した技術を応用したりしています。戦闘機なんかはまだまだ速度を追い求めたり、多少失敗してもいいのでチャレンジングなものを作ったりしています。
2つ目に関して言えば、過去の記事が参考になると思うので、ご参照ください。車と同じで電動化しようとしていますね。
それぞれの専門科目
この事実を知って、飛行機を作りたいってなってもそれぞれ好みが分かれるんじゃないかなと思います。空力屋さんは、発展のしようが少ないかもしれないけど、新しい飛行機を作るときには必ず必要で、この人さえちゃんとしていれば、どんな飛行機も飛びます。制御屋さんは、人間の頭脳みたいなイメージで、この人の製品にバグがあれば、飛行機は簡単に落ちます。何十年も前の制御屋さんが作った飛行機にみんなは乗っているんです。バグがないとはいいきれませんねえ(突然の煽り)。これらを繋ぐ人は広い知識が必要です。効率とか速さだけでなく、パイロットのことも考えて作る必要があります。パイロットが運転しにくい飛行機では、必要とされません。
まとめ
最後に、一口に飛行機開発エンジニアといっても、車より複雑な原理で動いて、飛んでいることは明らかなので、しっかりと勉強していかなければなりません。
はい、がんばります。