【eVTOLイノベーション】空飛ぶクルマの時代はやってくる
はじめに
車社会は、「CASE」とうたって、電気自動車や自動運転車の開発を進めています。でも、これらって我々にとって嬉しいこと少なくないですか?
環境にとって良い、とか、運転しなくても移動できる、とかメリットはもちろんあります。でも、「暇と退屈の倫理学」の言葉を借りれば、生産者が消費を促しているだけであって、消費者が本当に欲しいと感じるものではないような気がします。ガラケーからスマホに変わったときみたいな「消費者が感じる革命」みたいなのが車にもほしいと私は思います。
じゃあ誰もが空を飛んで移動できるようになったら、最高じゃないですか?
そんな空飛ぶクルマについての現状についてまとめてみました。
空飛ぶクルマの有力候補=【eVTOL】
空飛ぶクルマと言われて、どんなものを想像しますか?
バットマンが乗っているやつ?
https://www.gizmodo.jp/2012/08/batman_vehicles_cost.html
それとも、ナウシカのメーヴェ?
https://matome.naver.jp/odai/2141241925162346901
さすがにこれらは超越しすぎでしょうか?現実的に、空を飛んで移動する乗り物は今でもいくつかあります。
- 飛行機
- ヘリコプター
- ロケット
これらは皆さんのイメージする「クルマ」とは違うと思います。空を飛ぶものだけど、クルマではない。なぜか。どれも大きいし、実用的ではない、というのが大きいのではないでしょうか?
そんな時に出てきたのが、eVTOL(electric Vertical Take-Off and Landing)です。読み方は、「いーぶいとーる」です。つまり、垂直離着陸電動機のことで、垂直に離着陸できる電気を動力源とする航空機の総称です。日本ではほとんど話題に上がりませんが、世界では多くの企業が開発に着手しており、2020年4月の段階で、最大200の開発企業やデザイナーがいます。(eVTOL.newsより)世界の航空大手であるエアバスやボーイングを始め、今年の1月にトヨタが約400億円の出資を表明したJoby Aviationという企業など実用化に向けて世界の企業が競争しています。
https://evtol.news/wp-content/uploads/2020/04/Hirschberg-VFS-ACMA-14Apr20.pdf
上の写真からも分かるように、「いーぶいとーる(eVTOL)」というのは明確な定義がありません。翼とプロペラを持っているものあれば、プロペラだけのものもあります。電気で動き、垂直に離着陸さえできればそれでいいのです。
では、この空飛ぶクルマ「いーぶいとーる(eVTOL)」がなぜそんなに世界的に注目されているのか。先程述べた空を飛ぶ乗り物たち(飛行機やヘリコプター)と「いーぶいとーる(eVTOL)」との違いを見ながら、そのメリットを把握していきます。
「飛行機」との違いは、離着陸に場所を取るか取らないか
飛行機というのは基本的に翼を持ち、離着陸に長い滑走路を必要とします。だから空港に行かないと飛行機には乗れないですよね?でも、そんな大きな空港を作る場所もなければ、クルマという観点からもちょい乗りには向かないのがイメージできるかと思います。そういった面で、「いーぶいとーる(eVTOL)」は垂直に離着陸できます。これなら都市部でも可能ですし、将来的には家の庭のような場所でも離着陸が可能となります。これはもはや「一家に一台のクルマ」ですよね。
ただ飛行機の翼というのは、長距離飛行には必ず必要となってきます。我々が地球の反対側のアメリカにいけるのも翼の発達のおかげです。飛行機は飛行機でもちろん必要となるのです。
「ヘリコプター」との違いは、機械の複雑さや実用性
じゃあ飛行機と違うのはわかったけど、それならヘリコプターでいいじゃんとなります。確かに用途だけでいったらそうです。実際、ビルの屋上にヘリポートとかありますしね。ヘリコプターとの大きな違いは、機械の複雑さや実用性です。これはコストだったり、メンテナンス性だったりに影響してきます。
つまり、ヘリコプターではオーバースペックなのです。また、ヘリコプターはメインのプロペラ(ローター)が基本的に一つですが、「いーぶいとーる(eVTOL)」はプロペラが複数ついているものが多いです。この方が簡単でコストが低いです。また、小さいプロペラなので、電気で動かすことが可能となり、環境への貢献も大きいと考えられます。
じゃあヘリコプターいらないじゃんと思うかもしれません。しかし、これは愚問です。ノートパソコンが普及してきた今、デスクトップパソコンはいりませんか?そんなことありません。それぞれにあった用途で使うべきです。
「ロケット」との違いは、性能や環境面
じゃあホリエモンも開発してるロケットなんてどう?と思います。ロケットの目的は、地球上を水平に移動することではなく、如何に効率よく地上から離れるかなので、目的が異なっています。適材適所というものです。現状、ロケットは大量の燃料を使用しています。そんなものが街中でバンバン上がっていたら、環境が壊れます。また、燃料を燃やすのは高いエネルギーが必要なため(高高度や重量物積載)であって、街乗りには過剰な性能です。
本命「いーぶいとーる(eVTOL)」
以上のような理由から、既存の空を飛ぶ乗り物では、用途が異なっているために、コストや実用性の観点から人々の移動のための「クルマ」には向いていないことがわかります。したがって、「クルマ」に適した乗り物を開発する必要があり、それが「いーぶいとーる(eVTOL)」なのです。
「いーぶいとーる(eVTOL)」の多くは、翼とプロペラを両方持ちます。プロペラは垂直に離着陸するのにほぼ必ずと言っていいほど必要となるので仕方ありません。しかし、翼は正直必要ありません。プロペラだけでも、少し回転する面の角度を変えれば前後左右に進むことができます。でもなぜ多くの「いーぶいとーる(eVTOL)」がプロペラを持つのか。
https://evtol.news/wp-content/uploads/2020/04/Hirschberg-VFS-ACMA-14Apr20.pdf
それは飛行機のところで記載したように翼の効率の良さを利用するためです。性能の一つに「燃費(電費)」があります。それを大幅に向上させるのが翼の存在です。
つまり、ヘリコプターと飛行機のいいとこ取りをしたのが「いーぶいとーる(eVTOL)」と言っても過言ではありません。
では、なぜ今?
なぜ今までは開発されてこなかったんでしょうか?誰もが夢見る「空を飛ぶこと」。だれかが今までも考えてきて良いような気がします。
技術が発達して作れるようになったから
その答えは「テクノロジーが発達して、用途にあった航空機を作れるようになったから」です。今までも、もちろん多くの人が考えてきました。しかし、その時々に存在する技術、製品では不可能に近い思想設計ばかりだったんです。もし仮に、第二次世界大戦時にスマホのアプリ機能を思いついた人がいたとしても、スマホもなければ、コンピュータすらありません。考えはあっても、既存の技術のみで具現化する必要があり、それはとても難しいことです。
現在は、電気モーターやバッテリーなど電気関連部品の性能向上に加え、コンピュータの発達でより詳細な飛行シミュレーションが可能となり開発や研究が進みました。それらの理由により、開発する企業や団体が多く存在してきたというのが現状です。そして、今後はもっと研究者、開発者が増え、もっと実用化に近づいていくと考えられます。
現状の開発状況
現状として、どれくらい開発が進んでいるのか、実用化までにどんな問題があるのか。そういった内容に関しては、またまとめていきたいと思います。
Coimng soon~
初めてeVTOLを知った時にいろいろな企業のeVTOLを調べてみて、とりあえずまとめてみた記事があります。eVTOLを開発しているページへのリンクがまとめてあるので、実際に見てみると面白いかもしれません。
Uberがやっていることに関してまとめた記事があります。少し前の記事で、まだまだ読みにくいですが、よかったら御覧ください。