名古屋大学大学院航空宇宙工学専攻の院試~日程や科目、面接の詳細~
全国的に航空宇宙工学を学べる学校は少ない。その中でも、名古屋大学の航空宇宙工学専攻に大学院から入学することを目指す人も多くいるだろう。そんな人のために、現役学生が名古屋大学航空宇宙工学専攻の院試についてまとめる。
概要
詳しいことは募集要項やHPに記載されており、本記事も以下を参考にしている。もちろん私も正確な情報を発信するよう注意しているが、心配な人、二重チェックも込めてHPを見るべきだろう。
注意点
機械システム工学専攻、マイクロナノ機械工学専攻、航空宇宙工学専攻と試験内容も応募も別だったが、数年前から試験制度が変わっており、「機械航空系」として受験することになり、試験内容はすべて同じ。志望順位として専攻を分けることができる。専攻ごとに定員は決まっている。合格後に、希望の研究室を聞かれ、配属される。
ここで、不思議なのは、専攻と所属研究室の専攻とが異なる場合がある。どういうことかというと、機械システム工学専攻として合格したが、希望研究室アンケートの結果、航空宇宙工学専攻の研究室に配属されることもある。
この場合、卒業取得単位などは機械システム工学専攻の要件だが、研究内容や研究発表(修論発表など)は航空宇宙工学専攻のくくりで行う。
これのメリット、デメリットはよくわからないが、研究室のメンバーと違う授業を受けることがほとんどになるという点が挙げられる。各研究室に一人くらいいるイメージだから、割といる。
日程
2020年度の募集要項はまだ出ていないが、例年、年度明けの4月に出されることが多い。ちなみに今年度の試験日程は以下だ。
募集要項配布開始:2019年4月18日
出願期間:2019年7月16日~19日(筆記免除希望の場合:2019年6月19日
~20日)
試験:2019年8月27日~30日
なお、説明会が下記日程で開かれるようだ。興味ある人は是非行ってみるといい。研究室見学もあり、各研究室の学生の雰囲気、研究設備を実際に見ることができる。
日時:第1回 2020年3月1日(日)12:30~17:30
第2回 2020年3月28日(土)12:30~17:30
どちらも内容は変わらないが、研究室によっては紹介してくれる学生が異なると思うので、より多くの学生の雰囲気を見たい場合は両日参加してもいいだろう。
大前提
どの大学院でも同じだと思うが、
内部進学生の方が圧倒的に有利だ。
これははっきり言える。面接の内容も異なるし、試験の点数もおそらく、内部と外部では同等に比べられていない。外部から受験する人は狭き門となることは覚悟したほうがいいだろう。
試験科目
TOEIC
これは事前に受けることが必須となっている。5月に開かれるTOEICが出願に間に合う最後の試験だと思う。筆者の周りでは、600点台の人もいれば、800点台の人もいる。先輩や後輩の話を聞く限り、合格者の平均点は、750点付近だと思う。前述したように内部の人には大きなアドバンテージがあり、外部の人は800点超えを推奨する。
専門基礎科目
こちらは1日目の試験で、時間は3時間。数学は全問(4問)必須解答で、理科は選択解答(1問)である。
- 微積分
- 行列
- 微分方程式
- ベクトル解析
- 力学
- 電磁気学
点数は特に明記されていない。
専門科目
機械航空に必要な専門科目である。
こちらは2日目の試験で、3時間。全6問の中から3問を選択して解答する。1問1時間のペース。
- 熱工学
- 流体工学
- 振動工学
- 制御工学
- 材料工学
- 電気回路工学
点数は特に明記されていない。
面接
ここで、内部と外部との大きな違いを感じる。面接当日は待合室で待たされ、受験番号順に面接を行っていく。いつもの授業をやる教室で、面接官は教授たち4人がばらばらに座っており、学生は教壇の椅子に誘導される。
内部生
テストの出来はどうだったかと聞かれ、他愛もない会話。筆者の場合、知っている教授に出来あんまり良くないよ~と突っ込まれる。ドキリ。最後に聞きたいことあるか、と聞かれ終了。計5分もいかず。
外部生
筆者の前の人は、外部生だったのだが(学部時代に見たことなかったため)、面接時間は筆者に比べ長かった。計10分~15分。廊下で待っていて、面接内容までは聞こえなかったが、緊張もあり長く感じた。後々、他の外部から来た合格した人に聞くと、学部時代の研究内容や学生生活について、聞かれたようだ。
過去問
過去問は以下のページに3年分ある。それより前のものは、前述したように試験内容が異なるため、HPには記載されていない。
難易度
内部生で落ちる人はほぼいない。ただ、院試直前まで、研究をやらされる研究室と、5月くらいから研究を中断し、研究室に行かなくていい生活が始まる研究室と様々で、ある意味、難易度は大きく異なる。前者の研究室に所属していたメンバーで、落ちた人はいたし、他の研究室でも数人いたため、内部でも落ちる可能性は大いに有り得る。
外部生では、かなりのハードルとなるであろう。定員のうち、内部生で埋まった枠の残りの少数を勝ち取っていくイメージだ。肝心なのは、それぞれのテストに点数が記されておらず、試験結果も公表されないことだ。それらの情報は学生にも回らない。一部の学生が教授に結果を見せてもらったと言っていたが、テストの結果のみで順位はつけられているようだ。その順位で合格不合格が決まるかはわからないが。。。(面接がどこまで影響しているのか、はたまたそれは、あくまで内部生だけの順位なのか)
外部生は学部で所属している大学よりステップアップする人がほとんどだと思うので、それだけ教授側も慎重になっているのであろう。
独り言
一意見にすぎないのだが、筆者が思うに、やはり学部のときに何かしら関係している研究をしていた人が外部生には多い印象がある。それは航空とかそういうくくりでもそうだが、材料をやっていた人なら、材料系の研究室、みたいな。何かしらそういうことを面接とかでアピールできれば、強いのではないだろうか?
ボーダー
上記したように、ごめんなさい。わかりません。ただ、院試に向けて専門科目を勉強することは、名古屋大学に来なくても、研究を続けていく上では、重要なことだし、名古屋大学に来なくても、道はたくさんあるので、それほど深刻に考える必要はないと、筆者は思う。それくらいの気持ちで無理な人は、正直、受けるべきではないだろう。
まとめ
大学入試に失敗した人、大学に入ったが想像と違い環境の変化を希望する人、みんな進んでいるからという理由で大学院に進む人、様々な人がいると思うが、どこに進もうが金を払っているんだから、払った分のもとをとれるくらい何かしらを学ぼうぜ。