Uberの「空とぶクルマ = eVTOL」その実現性は?詳細仕様から考察①
https://www.uber.com/jp/en/elevate/uberair/
空とぶクルマ=eVTOLとは
UberのHPにある詳細仕様を具体的に見ていきたいと思います。
そもそも、
「空とぶクルマ」= “eVTOL”(いーぶいとーる)
車が空を飛ぶ世界。わくわくしますねえ。
そんなわくわくする世界はこんな感じです。各社がコンセプトムービーを出しています。
Airbus
以下では、eVTOLとはなんぞやというものを解説しています。
空とぶクルマでeVTOLが最有力候補である理由を説明しています。
Uberの空とぶクルマ=eVTOL
eVTOL開発競争の中でも、実用化に一歩リードしているのは
シェアリングエコノミーの先駆者です。暇なドライバーや暇なチャリダー達を駆り出して、バイトさせるとか天才すぎます。
すでに普及している今では当たり前になっていますが、0からそれを生み出すことのすごさといったら、もう。Times Carのシステムも発明です。
なぜ今まで思いつかなったんだ、という。でも逆にこれだけ合理的なシステムだからこそ、割とすんなり多くの人に受け入れられたんだと思います。
話を戻して、UberはUber Airというサービスを目論んでいます。
かっこよく言えば、「空のライドシェアリング」です。空飛ぶタクシーですね。
実際に機体を作っているメーカーは数多くいます。
以下の記事に日本や世界の開発競争をまとめました。この記事を見ていただけると、各社の”イケてるeVTOL“を垣間見ることができます。
このような中で、Uberはサービスを提供するプラットフォームを整えようとしています。
具体的な例でいえば、ポートやサービスです。
機体製造は他社に任せて、競争させて、その中から選ばれた機体をいいとこどりします。自分はUberXやUberEatsで培ってきた基盤を用いて、UberAirのサービスを牛耳るつもりです。
ずるいようですが、それぞれの企業に得意不得意があるので、合理的ではあると思います。つくづく、頭いいです。
そのUberがHP上で公開している機体の要求仕様が見ることができます。
最先端の開発要求を見ることで、なろうとしている「空とぶクルマの世界」を見てみましょう。
↓UberAirのHP
https://www.uber.com/jp/en/elevate/uberair/
車体詳細
記載のあるうち、いくつかを取り上げます。
VTOL
VTOL = Vertical Takeoff and Landing
つまり、垂直に離着陸できなければなりません。この時点で、HondaJetは残念ながら、対象外です。
安全性
空ならではの事故といえば、バードストライク。鳥とぶつかることです。
これを含めて深刻な損失があったときに、安全に垂直着陸できるもの、という指定があります。
その方法に指定がないところが重要です。これは現在の、空とぶクルマ= eVTOLの大きな課題の一つといえます。
騒音
空とぶクルマeVTOL用の騒音基準を作っているそうです。15dBオーダーより静かである必要があるとの記載があります。ちなみに既存のヘリコプターでは70dBや85dBのものがあります。同じプロペラを使う機体としては、かなり騒音の基準は厳しそうです。
エネルギー
機体全体が電気のバッテリーであること。ここでは、液体炭化水素燃料の使用が勧められています。
充電
Uberはパートナーと急速充電(最大600kW)の設備を開発しているようで、それに対応できるインターフェースが必要です。
3時間のスプリント枠の間に7分以内で充電できることが望ましい
(原文:Vehicles are expected to charge for less than 7 minutes during 3-hour sprint windows)
と記載があります。
ペイロード(積載重量)
パイロットを含め、3~4人乗れるスペースと、荷物を含めた最大980lb(= 444kg)まで積載できること。
サイズ
都市部のポートを使うため、上から見た機体の占有面積(vehicle footprint)が50feet(=15㎡)を超えてはいけないこと、最大高さは20feet(=6m)を超えないこと。
タクシーでよく使われているクラウンで、8㎡なので、二台分くらいの大きさです。プロペラも含めてなので、それなりにコンパクトに作る必要があります。
パイロット
自動で運転できるようにアビオニクスやセンサーを搭載する必要があるようです。しかし、初めの1年はパイロットありで、データを集めるとの記載が。とても具体的で、現実味がありますねえ。
でも、そりゃそうです。訓練を受けないと運転できないような難しさではだめです。車のように簡単な教習所くらいは必要だと思いますが。
地上のタクシー
プロペラを回すことなく、地上を走れる必要があります。
90mの距離を、時速5km程度で走れるものを想定しているようです。
ミッション
ミッションは次の記事にて。