経営法務~令和元年度~
合同・合資・合名会社
持分会社の種類。出資者と経営者が社員で同一であるということが、株式会社と大きく異なる。株式を発行して、増資を集えないことや社会的信用は株式会社よりも低いというデメリットこそあれど、手続きの簡単さや経営の柔軟さといった面でメリットがある。
合同は、有限責任。合資は二人以上の社員による出資で、無限責任と有限責任。合名は1人以上の社員による出資で、全員無限責任。
無制限責任社員
出資した範囲を超えて、会社の負債の責任を追わなければいけない。
https://entriez.jp/tips/about-company-type/
事業譲渡(会社法)
株主総会の承認が必要となる場合
- 事業の全部の譲渡
- 事業の重要な一部の譲渡(総資産額の5分の1以上の場合)
- 他の会社の事業の全部譲渡(子会社、外国法人を含め)
- 事業の全部の賃貸、委託
- 譲渡企業が事後設立(会社設立前から予定していた事業等を設立後に譲り受ける契約)により譲り受ける場合
承認が必要でない場合
- 簡易手続き
- 略式手続
https://fundbook.co.jp/business-transfer-low/
清算・特別清算
- 通常清算・・・すべて企業側で完結。債権者へ弁済を行い、その後、株主に配当を行う
- 特別清算・・・債務超過の疑いがある時。借金を払えない時。債権放棄について同意を得るか、同意を得られそうな場合が多い
- 破産手続き・・・債権者の協力も得られない時。手続きがいろいろ面倒くさそうなやつ
https://www.sansokan.jp/akinai/faq/detail.san?H_FAQ_CL=1&H_FAQ_NO=397
特別受益・寄与(相続)
特別受益とは、生前に贈与されていたものも、相続として換算しようというもの。その人だけめちゃくちゃもらうことになるやん、っていうこと。以下の3ケース
- 遺贈を受けたもの
- 結婚や養子縁組のために贈与を受けたもの
- 生計のための贈与を受けたもの
特別受益の持戻しに期限はないため、何十年も遡ることができる。時価や税金の対象は、民法と相続税法上では異なる。
寄与とは、被相続人に対して特別な働きをした人に対して、その働きに見合って多く遺産を相続するもの。労務、財務、療養看護をしたもの。相続税には普通に反映される。
株式・社債
株式は資本金、社債は負債。リスクとリターンが異なる。社債は、銀行の定期預金よりも金利は高いが、国に保証されているわけではないので、元本割れリスクはもちろんある。
企業にとっては、社債は負債であり、貸借対照表に悪影響を及ぼすため、多いのは好ましくないが、株式のように、議決権を与えるわけではないというメリットもある。
https://www.manegy.com/news/detail/1300
株主
株主総会
普通決議は半数以上、特別決議は3分の2以上の賛成が必要。株主総会の招集の案内は、取引制限がない場合は2週間前、ある場合は1週間前まで。
https://www.smbc-card.com/hojin/magaze/bizi-dora/legal/general_meeting_of_shareholders.jsp
株主提案権
- 資格・・・総株主の議決権の100分の1または300個以上を6ヶ月前から引き続き有する株主
- 方法・・・株主総会の8週間前までに請求
- 内容・・・法令・定款(会社の憲法)に違反するものではないこと
- 提案制限・・・実質的に同一の議案につき株主総会において議決権の10分の1以上の賛成を得られなかった日から3年を経過していないこと
https://www.businesslawyers.jp/practices/161
下請法
資本金が大きい会社が小さい会社や個人事業主に対して、不正に代金を減額したり、支払いを遅らせたりすることを禁じる法律。
合意があっても、大企業はやっちゃダメなことがあるらしい。
- 減額
- 不当な受領拒否や返品
- 利益(従業員や協賛金)の提供要請
- 支払い遅延
- 購入強制
などなど
内部統制報告書
業務の有効性及び効率性、財務報告の信頼性、法令等の遵守、資産の保全などを目的として、行われるのが内部統制。経営者は内部統制を構築し、有効に機能しているかどうかを評価する必要がある。また、それを監査法人による監査を受けることで、認められ、金融庁に有価証券報告書と共に提出する必要がある。
著作権
著作権法の保護期間
種類 | 旧法 | 新法 |
原則 | 著作者の死後50年 | 著作者の死後70年 |
無名・変名 | 公表後50年 | 公表後70年 |
団体名義 | 公表後50年 | 公表後70年 |
写真 | 公表後50年 | 公表後70年 |
映画 | 公表後70年 | 公表後70年 |
実演 | 実演が行われた後50年 | 実演が行われた後70年 |
レコード | レコードの発行後50年 | レコードの発行後70年 |
著作権人格権
クリエイターの名誉や作品への思い入れを守る権利
- 公表の可否や時期を決める権利
- 著作者の氏名を表示するかどうか決める権利
- 無断で修正されない権利
- 名誉を害するような方法で使用されることを禁止する権利
意匠権
製品や商品のデザインについて独占権を認める制度のこと。工業用デザインについて。25年間
商標権
商品やサービスの目印(商標)を独占できる権利。デザインではなく、目印。10年間。ただし、半永久的に更新可能。
立体商標登録
立体的な商標登録。くいだおれ人形やペコちゃん人形、カーネル・サンダース人形など。
特許権
特許出願時から1年半で特許公開。審査に通った場合、特許出願から20年間、特許権が与えられる。
先使用権
特許権者の発明の内容を知らないで、その特許と同じ内容の発明を特許出願よりも前に事業化指定したケースに適用される。
新規性喪失の要件の例外
学会などで発明を公表することで、特許出願時には、その新規性が失われることになる。このような場合のために、特定の条件の下で発明を公開した後に特許出願した場合には、新規性喪失の要件の例外として扱われることになる。
実用新案権
物品の形状、構造または組み合わせに係る「考案」が保護の対象。作り方や化学物質、組成物自体は保護の対象ではない。特許制度よりも水準の低い創作を保護するための簡便な制度と位置付けられている。
https://www.jpaa.or.jp/intellectual-property/utilitymodel/
インコタームズ
International Commercial Terms
貿易取引における費用負担・範囲などの取引条件を定めた国際規則。11条件ある。
前提として、
売り主→輸出機関→運送人施設→ターミナル→倉庫→輸入機関→買い主
という流れがあって、どこまでをどっちが負担するか、という話。
- EXW: Ex Works 工場渡
- FCA: Free Carrier 運送人渡
- CPT: Carriage Paid To 輸送費込
- CIP: Carriage And Insurance Paid To 輸送費保険料込
- DAP: Delivered At Place 仕向地持ち込み渡
- DPU: Delivered at Place Unloaded 荷卸込持ち込み渡
- DDP: Delivered Duty Paid 関税込持ち込み渡
- FAS: Free Alongside Ship 船側渡
- FOB: Free on Board 本船渡
- CFR: Cost and Freight 運賃込
- CIF: Cost, Insurance and Freight 運賃保険料込
https://lab.pasona.co.jp/trade/word/104/
担保物権
債権を設定する代わりの保証みたいなもの。借金を払えない時に、担保を提供する。民法では、以下の4つを定めている。
抵当権
金融機関が土地と建物を担保にする権利
留置権
他人の物の占有者が、そのものに関して生じた債権の弁済を受けるまでそのものを留置できる権利
先取特権
複数の債権者がいる債務者から優先的に弁済してもらえる権利
質権
債権者が債務の弁済がされるまで保管・占有し、弁済がされない場合、その担保を処分して優先的に弁済を受けることができる権利
https://lab.iyell.jp/takken/t055
求償権
連帯債務者が債務を肩代わりして弁済した場合、他の債務者に肩代わりした分を請求できる権利。第三者の代位による弁済についても同様に認められている。
https://www.foresight.jp/takken/column/right-to-recourse/
債権譲渡・指名債権
指名債権とは、債権者が特定している普通の債券のこと。手形・小切手のような証券化した債権以外の債権をまとめていう。金融機関の預金や家賃など。
指名債権の譲渡は、譲渡人と譲受人の両方が承諾しなければ、第三者に対抗することはできない。
https://www.tabisland.ne.jp/explain/keiyakusho/keiyaku_2_3.htm
遺言
- 自筆証書遺言(未開封で検認必要)
- 公正証書遺言(事前の検認必要)
- 秘密遺言証書(未開封で検認必要)
https://www.tokyo-intl.com/category/1586571.html
上場審査基準
東証一部
上場したら、株主数800人以上、時価総額250億円以上、流通時価総額100億円以上が見込める。
事業開始から3年以上。連結純資産額が50億円以上。
最近2年間における利益の総額が25億円以上。最近1年間の売上高が100億円以上かつ時価総額が1000億円以上
東証二部
上場したら、400人以上、流通時価総額10億円以上が見込める
事業開始から3年以上、連結純資産の額が正。
最近1年間の利益の額が1億円以上。
国内外を代表する中堅企業が上場する市場と位置づけられている。
マザーズ
株主数150人以上、流通時価総額5億円以上が見込める。
事業開始から1年間。
市場第一部へのステップアップを視野に入れた成長企業向けの市場と位置づけられている。10年後に上場廃止基準の見直し及び市場選択制度の導入。つまり、10年後に条件を満たしていなければ、上場廃止となる。
2市場を比較してみるとジャスダックのスタンダード市場には「最近1年間の利益の額が1億円以上であること」という審査基準と「上場時に2億円以上の純資産」という基準があるがマザーズにはその規定がない。総合的に見ると現状ではマザーズのほうがより新興企業にとって魅力的な市場と言えるだろう。
ジャスダック
二部上場と同じ条件。新興企業とすでにある程度の実績を重ねてきた企業が同居しているのがジャスダックの特徴でもある。
https://www.jpx.co.jp/equities/listing/criteria/index.html
https://biz-lounge.jp/archives/246#toc-5
地方証券取引所
それぞれの市場で異なる。ここで流通している株式と東証の株式は違う?じゃあトヨタとか東証にも名証にも上場しているところは、株式をそれぞれに流通させているというこという?東証だけの株式では総額ではないということ?