【工学部大学院生解説】エクササイズコーチのマシンの仕組みは?AI搭載で何ができる?
スマートマシンに感動しました
エクササイズコーチのAI搭載スマートマシンに感動しました。
私は、大学で工学を学んでおり、ある程度は機械について詳しいつもりです。昨今ありふれている「AI搭載」という言葉は好きではありませんが、エクササイズコーチのマシンにはとても驚かされました。
実際に無料体験に行って、即入会を決断してきてしまいました。その無料体験の記録は以下にまとめてあります。
本記事では、そのマシンについてとても興味がわいたので、
「どのような仕組みで動いているのか」
「AI搭載とはどんな理論に基づいているのか」
について、いろいろ調べてまとめてみたいと思います。
そもそもエクササイズコーチとは?
エクササイズコーチは、アメリカで人気を博し、満を持して日本に上陸したパーソナルトレーニングジムです。その価格と内容は、学生の僕でも手が届くもので、迷わず入会してしまいました。そんなエクササイズコーチはまさに、
「ミニマリストパーソナルトレーニング」です!(勝手に名付けました)その特徴をおさらいすると、
- トレーニングは1回20分
- マシン主導型パーソナルトレーニング
- 圧倒的な低価格を実現
- 持ち物一切不要
これらについては、こちらの記事にまとめてありますので、よかったらご覧ください。
マシンの仕組み
では、ここからマシンのメーカーサイトを参照して、このスマートマシンの特徴をまとめていきたいと思います。
メーカーHP Exerbotics ~A Scientific Approach~
めっちゃ良い「関節」と超敏感な「触覚」(リニアアクチュエータとロードセル)
Made in アメリカのリニアアクチュエータ(関節みたいなやつ)を利用しており、どんなひどい環境でも10年間メンテナンスなしで、最大4000lbs(約1800kg)までの負荷をかけることができるそうです。意味わかりませんね。どんな万能なマシンですか。
なお、通常のマシンは、注油や錆取りなど定期的に行う必要があるみたいです。メンテナンスに関してはよく分からないので、あまり言及しません。
とりあえず「良いアクチュエータ」を使っているということです。アクチュエータというのは関節、と表現したように、マシンの大事な一部です。人間でも怪我をする時、関節を怪我することが多いですよね?関節を大事に使うことは長持ち、そして滑らかな動作の秘訣となります。
このリニアアクチュエータにより、バウンドすることもないし、動きがカクカクするようなこともありません。これはロードセルと呼ばれる力を測ることができるセンサを使っていることも関係しています。(このロードセルは、飛行機が飛ぶときの抵抗を測る時にも使います)
センサというのは、人間で言う「触覚」で、センサが読み取る値というのは、つまり筋トレしている人がかけている力です。それをコンピュータで即座に計算して、アクチュエータでマシンが力を入れています。
腕相撲で強い人に対して、いきなり力をいれてもすぐに反応して力を入れ返してきますよね?そんな感じです。マシンでも、超敏感な触覚で人間の力を即座に認識し、しなやかな関節を伴う動きでそれに対応した負荷をかける、これができる最先端のマシンなのです。
「AI搭載」たる理由=キーワードは等速運動、多関節運動
等速運動
マシンは個人にあったポジションを初めに設定します。それもすべてコンピュータで制御し、その設定もトレーナーが行うので、自分たちは何もする必要はありません。トレーナーさんが足の角度や手の角度を見ながらセットしていたので、きっと決まったフォームになるようなポジションにセットされるのだと思います。
そして、ひとたびトレーニングが始まれば、決まったスピードでマシンが動きます。速くしようとも遅くしようとも無駄です。
この等速運動(isokinetic training)のメリットとしては、
- 正しいフォームでトレーニングできる
- スピードを調整できないため、テクニックやスピードでごまかすことができない
などが挙げられます。まさに人間の体を追い込む「機械」「マシン」です。本当に無情なマシンです。。。少しはこちらのきつさをわかってくれい。
多関節運動
トレーニングには、
- 多関節運動
- 単関節運動
の2つがあります。文字通り、複数以上の関節の動きを伴うものを多関節運動、1つのみの関節の動きを伴うものを単関節運動といいます。
多関節運動のメリットとしては、
- 動員する筋肉が多いため、消費カロリー大
- 日常やスポーツの動きに近く、パフォーマンスに繋がりやすい
が挙げられます。ベンチプレス(肩、肘)やスクワット(股関節、膝)などがその代表です。
一方、単関節運動のメリットとしては、
- ターゲットを絞って効果的にトレーニングできる
が挙げられます。「たくましい胸のためダンベルフライ!」「力こぶを作るためのアームカール」などがその代表です。
一般的に、ボディビルダーのような特殊な筋肉をつけたい人を除いて、多関節運動が推奨されていると思います。(参考: 単関節運動か多関節運動か dnszone.jp)そしてエクササイズコーチのこのマシンももちろん「多関節運動」です!
でもそれは別にそんなに珍しいことじゃないんじゃ、、、
いやいや、違うんです。
「等速」「多関節」運動
「等速」かつ「多関節」運動というのは、ほとんど例がないそうです。それは、技術的に「力」と「力のモーメント」を同時に計測するようなマシンができなかったからだそうです。(参考: https://exerbotics.com/research/)難しいですね。。
僕もよく分かりませんが、要は、等速運動であるものはすべて単関節運動で、多関節運動はやはりフリーウェイトトレーニングのようになってしまい、どうしても等速運動というのは難しかったということのようです。
技術の進歩により、Exerboticsは等速多関節運動を可能にし、まさにいいとこ取りのトレーニングができるようになったのです!!
このように見ていくと、エクササイズコーチはやはり最先端であり、新しいもの好きの私にとっては大好物のようです。新しいもの好きのイノベーターのみなさん、やるしかないですね!
AI搭載とは?
AIとはいうものの、特別なことはしておりません。(たぶん)
マシンの原理となる研究では、最大筋力の75-85%の力で行っているので、それくらいの力になるように制御されています。それと同時に、トレーニング(8回1セット)終了後に、毎回達成率?のようなものが表示されます。私の場合、100%前後だったため、最大筋力の75-85%の力でトレーニングを続けられたかどうかをフィードバックしているのだと思います。
そして、この結果により次回以降のトレーニング強度が変わるのでは?と予想しています。まだ2回目やってないのでわかりません。(2回目やったとしてもキツすぎるので分かるかどうかも分かりませんが。。。)
マシンにもコンピュータ(センサで読み取って、それをフィードバックして負荷をかける仕組みのこと)が搭載されたので、広く言って「AI搭載」ということだと思います。
ただ、すべての人がエクササイズコーチで行ったすべてのトレーニングが、「データ」として蓄積されていきます。それを更に研究に用いることもできますし、エクササイズコーチのトレーニングに応用することも可能です。このような「すべてのトレーニングをデータ化する」という面では、時代に合っており、時間が経過すればするほど、経験者が増えれば増えるほど、エクササイズコーチのトレーニング内容はブラッシュアップされていきます。これこそが本当の強みと言えるかもしれませんね。
まとめ
以上、エクササイズコーチのマシンについてまとめてみました。時代に合った、超合理的なマシンということがお分かりいただけたでしょうか?
無料体験もやっているので、興味のある方はこのマシンを体験してみてください。病みつきになると思いますよ。