自動車業界は1社目としてならオワコンではない |就活記録
名古屋の某国立大学に属する大学院生です。
2021年卒で就活を終え「自動車業界」に内定をもらいました。
1年間就活をしてきて、いろんな社会人と話してきましたが、自動車業界はオワコンと言われている世の中で、私が自動車業界を選んだ理由は、
地元で働けて給料が良い、そしてこの日本ではまだまだ名が通ることです。
この記事を見た人がどういう軸で就活をしているかわかりませんが、私からすれば新卒の会社は「人生のうちの1社目」に過ぎません。
外野からの「オワコン」と言う言葉に流されるのではなく、本当にやりたいこと、人生で果たしたい目標を見据えて、「自分で考えて」1社目を選びましょう。
自動車業界の現状
日本や欧米では、排ガス規制により電動化の流れ
いわゆる先進国ではすでに車は広く普及しております。そんな市場で、さらに車を売ろうと思うと、今までとは何らかの差別化が必要となります。デザインであったり、性能であったり、人々は目新しさを求めています。さらに、排ガス規制により、ガソリン車も厳しい状況に陥っています。
そこで、世界各国は電気自動車の開発に力を入れています。電動化することで、排ガスはもちろん燃費を向上させることも期待されています。欧州や中国では特に電動化に力を入れています。
途上国ではまだまだ大きな市場
反対に車がまだ普及しきっていない途上国は大きな市場となっています。途上国ではまだまだ道も普及していないところや極端な環境(熱帯や乾燥地帯)など様々な使用シチュエーションが考えられます。
そんな時に、すでに長年先進国で使われており、信頼性・安全性が担保されているガソリン車の需要が大きいという点があります。試しにトヨタの世界別の売上を見てみましょう。
自動車業界の未来
「CASE」や「MaaS」といった流れ
そんな自動車業界は現在、CASE戦略(Connected, Autonomous, Shared&Services, Electric)という、ドイツのダイムラー(ベンツ)の会長が提唱したものです。これから自動車メーカーが力を入れるべき分野として挙げられています。
また、MaaS(Mobility as a Service)というのも自動車業界に限らず叫ばれており、モビリティ(移動するためのもの)は、サービスとして普及していくというものです。したがって、代表的なものとしてUberが挙げられますが、幅広い企業が移動に関わるサービスを打ち上げていきます。それと同時に、車はメカ的な性能だけでなく、サービス全体として比較されます。例えば、燃費がいいだけの車ではなくて、乗り合いしやすいか、車内で快適に過ごせるか、など総合的に見られていくようになるというわけです。
オワコンと言われる理由=シェアが広がり需要減る。サービスで儲ける
そんな戦略を打ち立てているにも関わらず、オワコンと言われる大きな理由は、シェアリングエコノミーが広がり車の需要が減ると予想されています。一家に一台あった家庭が、Uberのようなサービスを使うことで、車を所有する必要がなくなっていきます。そしていつかは、一丁目、二丁目・・・ごとに一台なんて時も来るかもしれません。
なんにせよ、そうなった場合、自動車業界は下請けです。トヨタでさえもUberの下請けになるかもしれないんです。
売れる台数は減るわ、下請けになるわ、踏んだり蹴ったりです。これがオワコンと言われる大きな理由の一つだと思われます。あとは、これから自動運転技術が進んだとき、IT企業の方がその強みを活かせると考えられていることも理由の一つです。(例:Google)
それでもなお希望が、、、
それでもまだまだ希望はあります。空飛ぶクルマです。
DENSOは2019年6月にHoneywellと空飛ぶクルマに向けた技術提携。トヨタは2020年1月にJoby aviation(空飛ぶクルマを開発するスタートアップ企業)に400億円規模の出資しています。
数ある航空期の中で「空飛ぶクルマ」となるのは、モーターやバッテリーの技術発展に伴い、eVTOL(electric Vertical TakeOff and Landing)、つまり電動垂直着陸機と言われています。「電気自動車と動力源は同じ」で実現に向けた課題は同じと言っても過言ではありません。
つまり、如何にモーター関係の効率を良くして、バッテリーのエネルギー密度を上げるか、そして何より、如何に安全性を担保するかです。したがって、そういった面ではまだまだ自動車メーカーのやるべきこと、やれることは数多く残されています。
主観:自動車業界は数年はよっぽど大丈夫(あくまで数年)
上記で述べてきたように、様々な逆風はあれど、途上国ではまだまだ市場が大きい、電気自動車や空飛ぶクルマを始めとしたモビリティの開発(ハード面での強さを活かした開発)など世間から強く必要とされる存在ではあると私は思います。
しかし、いずれは市場で戦えなくなる「日本の電機メーカー」のようになる可能性は大いにあり得ます。
この先行きの不透明感が故に、世間からは「オワコン」と言われているのだと私は結論づけます。
新卒で自動車業界はまったくオワコンではない
以上を踏まえた上で、自動車業界を私が選んだ理由、オワコンではないと思う理由は、
「世間的な知名度は大きく、しばらくは給料も安定しているから」です。
企業に所属=肩書き
世間的な知名度が大きいのは、この転職、副業時代でもかなり大事かと思われます。
いくらその人自身を見る、といっても多くの人は肩書きを気にします。肩書きというよりも、「過去」といった方がいいかもしれません。
初めてあったその人がどんな人であるかをどう判断しますか?「過去」「経験」から判断しますよね?
それを踏まえて、ベンチャーにしろ大企業にしろ転職するとなった際には、自動車業界の会社というのは「安全性を追求される仕事=ユーザーの安全性を追求できる」ことが強みだと思っております。
また、これは大企業全般に言えることですが、「ある程度の社会人としての教育はできている」とも思われることかと思います。そういった面でたいていの場面では不利にはならないか、有利になる、と私は考えました。
実際、トヨタで働いていた方が退社後に書いたすべての知識を20字でまとめる紙1枚!独学法は考え方の基礎を学べる本で、すべての分野に活かせることだと思います。
私の就活の恩師といっても過言ではありません。
やはり大事なのはその人自身です。ここで言ってるのは会社選びの一基準としての考え方を挙げているだけです。
給料の安定性
あとはなんと言っても給料の安定性です。
コロナ時代だからこそ、内定先を自動車業界にした最大の理由と言っても過言ではありません。(笑)
新卒のぺーぺーが働くためには、もちろんやる気さえあればどこでも働けます。
でもそれなりに稼ぐには、活力と運が必要だと私は思っています。そのため、とりあえずは安定して稼げるところで働いて、生きていける分のキャッシュは作りたいなと思っています。
そもそもオワコンとは?
最後になりますが、そもそもオワコンとはなんでしょう?
オワコンじゃない企業、業界はどこにあるんでしょう?
どこに入っても結局は、自分自身です。それに人それぞれ人生の目的は違います。
「大企業で窓際でもいいから、家族とのんびり暮らしたい」「起業して経営者になるためには、ここで一発かましてやる」
あなたの目標はなんですか?
自分に合った企業を探すことが大事で、そもそも自分に合った企業とは?と問い続けるのが就活、人生だと私は思います。
社会に出てからは、結局「自分」です。周りとうまくやれるか、否。「周りとストレスなくやっていけてる」と思うかどうかも結局自分次第です。どんな環境でも、うまくやっていける人はいけるし、仮にできていなくても、「自分に合っていない環境」と思うか、「自分が足りないんだ」と思うか、どっちも正解だと思います。結局、自分自身が後悔しない選択をできるかどうかです。
そのためにも情報にだまされないことは大事です。「如何に良質な情報を得られるか」ここに重点を置いて、就活を進めていきましょう。